屍都市Ⅱ

やがて、新しい朝が来た。

「マリ、マリ」

穏やかにノックする音。

マリはベッドの中で目を覚ます。

怖い怖いと思っていたが、いつの間にか眠ってしまったらしい。

寝ぼけ眼を擦りながらマリはゆっくりとベッドから起き上がる。

時計を見ると午前10時。

学校の登校時間はすっかり過ぎてしまっている。

完全に遅刻だ。

ここまで盛大な遅刻をしてしまうと焦る気も起こらず、彼女はノソノソ歩きながら部屋の鍵を開けた。