屍都市Ⅱ

大混乱となる検問。

渋滞を作っていた車から次々と運転手が降り、車を放置したまま逃走する。

警官隊は何とか押し寄せるゾンビ達を阻止しようとするものの、何せ相手は痛みを感じず、死を恐れない生ける屍だ。

何発銃弾を撃ち込まれようとも、その足を止める事はない。

覆い被さるように警官の一人にしがみつき。

「ぎ、ぎゃあぁああぁあっ!」

その首筋に食らいつく。

ブチブチと頚動脈や筋が断裂する音。

とても直視に堪えない凄惨な光景だ。

「……っ」

深幸は顔を背ける。

そんなもの見せ付けないでよ!

私は血が苦手で医者の道を避けたっていうのに!