「無駄だよ」
突然声をかけられて、深幸は振り向く。
「何訊いたって無駄さ。『一般市民は榑市内には立ち入り禁止』の一点張りだよ」
電柱にもたれ掛かって腕を組んだ一人の男…九重 颯太が訳知り顔で深幸に言った。
「…誰かしら、貴方」
肩にかかった長い髪を片手で払いながら、深幸が問いかける。
美人でスタイルも良い深幸がこういう仕草をすると、思わず息を飲むほど様になる。
淡い色の髪は、彼女の妖艶さを際立たせる小道具のひとつでもあった。
その美貌に一瞬見とれながら。
「何…しがないブン屋さ」
気を取り直して颯太が答える。
警察に新聞記者。
いよいよ榑市で何かが起きたと見て間違いないらしい。
この人口25万人程度の中規模都市で、こんなに大袈裟な検問が敷かれるほどの何が起きたというのか。
突然声をかけられて、深幸は振り向く。
「何訊いたって無駄さ。『一般市民は榑市内には立ち入り禁止』の一点張りだよ」
電柱にもたれ掛かって腕を組んだ一人の男…九重 颯太が訳知り顔で深幸に言った。
「…誰かしら、貴方」
肩にかかった長い髪を片手で払いながら、深幸が問いかける。
美人でスタイルも良い深幸がこういう仕草をすると、思わず息を飲むほど様になる。
淡い色の髪は、彼女の妖艶さを際立たせる小道具のひとつでもあった。
その美貌に一瞬見とれながら。
「何…しがないブン屋さ」
気を取り直して颯太が答える。
警察に新聞記者。
いよいよ榑市で何かが起きたと見て間違いないらしい。
この人口25万人程度の中規模都市で、こんなに大袈裟な検問が敷かれるほどの何が起きたというのか。


