屍都市Ⅱ

「検問?」

思わず身を乗り出す。

タクシーのフロントガラスから見える光景。

確かに道路の数百メートル先に、赤い回転灯が見える。

十数台のパトカーと白バイ。

そしてその倍以上の数の警察官が、道路を封鎖しているのが確認できた。

検問というよりはバリケードだ。

「運転手さん、ここでいいわ」

深幸は料金を払ってタクシーを降りた。

電車の運休、そして検問。

今朝はどこか様子がおかしい。

この榑市で一体何が起こっているのか。

こんなに大騒ぎするような、大きな事故でもあったのだろうか。

車の渋滞を縫うように歩く深幸。

警察官に直接、何が起きたのか訊こうとしていた時だった。