鬼島 剛(おにじま ごう)。

陸上自衛隊所属の分隊を率いる分隊長。

階級は三等陸曹。

現在は美原市跡地の警備を命じられていた。

「犬連れた自衛隊員なんて初めて聞くぜ…」

立ち上がって着衣の埃を払い落とす颯太。

「ゴロウは災害救助犬の訓練を受けている。立派な我が分隊の一員だ」

表情ひとつ変えずに鬼島が言う。

「見た所マスコミ関係のようだな…取材の申し込みは受けていないし、許可も下りていない」

「…マスコミは当たりだが、それ以外はハズレだ」

フンと鼻を鳴らし、颯太はポケットに手を突っ込む。

「それならば何だ。返答次第では…」

手にした自動小銃。

そのグリップを握り締める鬼島。