ゾンビの迎撃中に迫田が。

バリケード突破直後に韮崎が。

撤退中に荻窪と角野が。

鬼島を庇って向井と日野が。

次々と屍どもの餌食となり、更にはその仲間入りを果たした。

今、鬼島に追従している部下はシベリアンハスキーのゴロウのみ。

(情けない…)

残弾残り僅かとなった自動小銃のグリップを握り締め、鬼島は歯噛みする。

(この程度の戦闘で死んでしまうとは…)

聞き様によっては、死した部下に対する蔑みともとれる鬼島の言葉。

しかし。

(俺の鍛え方が甘かったせいで、あいつらを死なせる事になってしまった)

俯き加減になる彼の目頭に、僅かに光るものがあった。

何が『鬼の分隊長』か。

部下が全滅したのは、偏に分隊長であり教官である俺の責任だ…!