伝票を手に取り、颯太は立ち上がる。

「え、もう行っちゃうんですか?」

見上げる理子に、颯太は軽く手を合わせた。

「すまん、ブン屋ってのは何かと多忙でね」

それは半分本当で半分嘘だ。

手に入れた華鈴のノート。

これに書いてある事の裏を取っておきたい。

少しでも真実に近づく為に。

少しでも国の怠慢を暴く為に。

少しでも妹の無念を晴らす為に…。