君のことが好き



「みんな、うち、帰るね。
 帰る友達見つかったし。」

「うん。バイバイ、優華。」

「じゃーねー!!」

  優華もいっぱい友達できてるなぁ。
  あたしも頑張んなきゃ!!

「ねぇねぇ、歩実、聞いてくれる?」
「ん?何?なんでも聞くよ!!」

「あのね、実は…
 今日、 一目ぼれ しちゃいましたぁ!!
 エヘヘ、なんか照れるなぁ。」

「もー!!優華ったら相変わらず惚れっぽいねぇ。」

「だってぇ、ちょーーーかっこいいんだよ!!」

「でね、その男が、2組にいるの!」

「えっっ!?うそ!?2組に!?そんな人いたっけ?」

「いるよーー!!」

「ってかさ、チェック早くない?」

「まあ、そりゃあ、好きな人だから!!」

「で、誰なんだっけ?」

「えっと、東山将輝<ひがしやま まさき>っていうやつなの。
 わかる?」

「東山将輝?!えーと…あっっ!!うちのななめ後ろの人だ!!
 顔あんまり見てないけど…」


「その人が、ちょータイプでさぁ!!」


「へぇー。協力するよ!」

「ありがとうっっ!
 で、ちょっと話しかけてもらってもいい?明日!」


「えっっ!?うちが!?なんでよぉ?!」

「だって協力してくれるって言ったじゃん!」

「まぁそれは、優華のことだから…

 でも、自分で話しかけた方がよくない?」

「でもさ、同クラの方が分かりやすいじゃん!

 ふれる機会もいっぱいあるんでしょー!いいなー!」

「別にうちはそんなん興味ないけどね。

 っていうか、たった一日でこんなに熱くなる人、いるんだね。」

「あ、悪かった?」

「いや、優華だからしょうがない。」