あたしが話しかけようかなって思ってた子だった。
話しかけてくれたのは、となりの席の春野絵梨花<はるの えりか>ちゃん。
「本当に?嬉しーい!!これからもよろしくね!」
それからは、2人で行動した。
<なんて優しい子なんだろー!!>
その後も、声をかけてくれたり、自分が頑張って声をかけたりして、
7人も友達ができた。
「絵梨花ちゃん!あのさ、”絵梨花”って呼んでいい?
あたしのことは、歩実でいーよ!」
「そうだね!歩実!改めてよろしく!」
そうして無事に入学式を終えた…
あ、そうだ、優華と帰ろう!!
そう思って、3組に行った。
そしたら………
すごいやんちゃな子と話してた。
えっ!?優華があんな子と仲良くなっちゃったの??
一瞬目をうたがった。そんな子といることなんか今まで一度も
なかったのに…。
「どうしよう。絵梨花とあたし、帰るの別方向なんだよね?」
「うん。残念だけど。」
1人で帰るのはいやだな。
でも…優華にあの子が付いてくるのも嫌だし…。
「んじゃ、思い切って名前呼んでみたら?
そしたら、来てくれるよ!
それに、あの子とまだ話してないんだから、分かんないじゃん?
もしかしたら、見た目とのギャップで性格いいかもよ。」
「あは、そうだね。そんなこともあるかもしんない!」
絵梨花のいうことだし、やってみるか!!
深呼吸してから…
「ゆーーうーーかーー!!」
「はーい?あ、歩実か!どうしたの?」
「ほらね。頑張って。」
「うん。ありがと。」
「どうした?っていうか、さっきの友達?」
「そう。今日友達になったの。
でさ、今日一緒に帰れる?
あの子と一緒に帰るんだったら、いーけど。」
「分かった。一緒に帰ろう。あの子、加藤沙希<かとう さき>って
いうんだよ!でも、帰る方向違うし、ちょうどよかったー!!」
「ほんと!?よかった。」
