「んじゃ、うちらもそろそろ帰ろっか!」
「うん。」
あたしたちもニットを着る。
そして、また話し始めた。
「スタジアムがどこか分かったら教えてやるよ」
「お!!応援しに来てほしい人でもここにいるのかな??」
沙希ちゃんが将輝をいじる。
あたしも笑って、そのまま優華の方を見た。
笑ってるだろうな、って思って。
でも、現実はそうじゃなかった。
優華は、なにかをこらえてるような顔をしてた。
「どうした?優華」
あたしは優華のそばに行って、話を聞いた。
どうやら、優華は将輝に好きな人がいるんじゃないかって、
将輝は応援して欲しい人が他にいるんじゃないかって、
将輝は沙希ちゃんのことが好きなんじゃないかって、
そう思ったらしい。
恋ってつらい時もあるんだね。
