「やるから見ろよ?」 「う、うん」 そう言うと黒峰僚は 手際良く紙束をカチカチと 止めだした。 「ほらっ、綺麗だろ? 俺みてーにやればいいんじゃね」 「黒峰僚すごいね」 私は、まじで感激して 黒峰僚を見ていた。 「あのさぁ、その黒峰僚 ってのやめてくんね?」 「えっなんで?」 黒峰僚は飽きた顔で 私を見て答えた。 「彼女にフルネームで 呼ばれるなんて嫌じゃん?」 「…そう、かな」