「俺たち、見分けつかないだろ?母親でも時々間違うんだ。性格は全く違うのに。大体は小さい頃はそっくりでも、この年ぐらいになると多少の違いが出てきてわかるんだけど…。

どういう訳かそっくりのままで…。

まるでクローンだよ。」

ここでリュウさんは大きなため息をついた。まるでうんざりだとでも言いたげに。

「…マコが交差点で見たのはセイヤで、一緒にいたのはたぶんサークル仲間だと思う。あいつ、女の子の知り合い多いくせに、特定の彼女作らないんだ。女を見る目を養うとかで。


……セイヤがしたこと、本当にごめん。簡単に許せる事ではないと思う。

…俺を見るとあいつを思い出すだろ?」


「……」


「マコの気持ちが整理できるまで待つから。その時はマコから連絡してきて。」


リュウさんは切なそうに言うと窓際まで行き、暮れかけた空を眺めた。