彼の隣には、ストレートの長い髪でお化粧をしたきれいな大人の女の人。


彼の腕に自分の腕を絡ませて、楽しそうに話しながらこっちに向かってくる。


まるでスローモーションのように私の目の前を通り過ぎた。


呆然としたまま、二人の後ろ姿を目で追ったけれど、それはすぐに雑踏の中に消えた。




「マコ、何してんの?行くよー!」

友達の声で我に返った。


「あ、うん。今行く。」