「はぁ……はぁ……」



「須藤!修学旅行の日にも……」



「ごめんなさ〜い……。」



「ギリギリだぞ!!今日は川瀬も余裕で来てるのに……」



「えっ!?」



川瀬くんが余裕をもって?


「いいから、早くバスに乗りなさい。」




「は、はい!」



川瀬くんがもういるってことは、私が最後だよね?




「梨香。あんた何やってんの?」



「ちょっと寝坊しちゃって……」



結花ちゃん、絶対呆れてるよね……



「全く……早く座りなさい。」




「はい……。」



恥ずかしい……。




「梨香!」



「川瀬くん……。」



私は、結花ちゃんと隣の席で、川瀬くんは私の席の後ろ。



「おはよう。今日もかわいいな。」



「なっ……」




「本当、見てて飽きないわ。」

川瀬くんは嬉しそうに笑いながら言う。



「修学旅行で何か進展があると面白いんだけど。」



「結花ちゃん?」




「何でもない。」





何とか朝のトラブルを乗りきって、バスは空港に向けて出発した。