「海へ、向かってくれ。」

俺たちは海へ、向かった。

「これで、初日は乗り切ったね。

えっ……?

どうしたの真司??」

俺は震えていた。手が震えていた。
さっきの注射器の感触が今もまだ残っている。
額には汗をかいている。

「いや、なんでも無い。

少し…

罪悪感に襲われているだけだ…」

今あった事を、これから何日も体験する。

罪がない人を殺す…

慣れれば、大丈夫になっていくかもしれないが、初日には難しいものがあった。

「着いたよ。」

海岸についた。

海岸はコンクリートで固められている。深さはある程度ある。

トランクから死体の入ったビニール袋を取り出す。

それを海に落とせる様直ぐに近くに置く。

袋の口を開け、あらかじめ用意していたレンガを5、6個入れ、口を結んだ。

そして、袋を蹴った。

遺体は海へ沈んだ。

少し空は明るくなった。

初日の殺しは終了。

しばらくはバレないだろう。

俺たちはそれぞれの仕事場に向かった。