…雑誌だった。…

これが俺の未来を大きく変えようとは…

このとき、知るはずもなかったのである。


だが、仮にその事を知っていても、オレはその未来を選択しただろう。



理由はひとつ…



……スリル……

…が欲しい。



この雑誌は昨日、新入りの部下三人と飲みに行った帰りに買った物である。


コンビニで立ち読みしていたときに気になる記事があったからだ。


まだ読んでなかったので、暇を潰すつもりで読んだ…

中には、今の社会情勢と今後の生活、犯罪の関係性について書いてあった。

著者の「社会が悪くなると、犯罪の対象が変わる」という意見には賛成だが、それについて無駄な事までダラダラと書かれており、記事的にはあまり面白くなく、俺は所々飛ばして読んだ。



記事が終わり広告ページに入る。


ペラペラとページをめくっていき、二、三ページめくった後で手を止めた。


時計とビールの広告の間に、不思議な見開きで一つの広告があったからだ。



消費者金融の広告だった。



こういう金銭関係の事件は担当外なので、興味も無いし、事件性もあるかもわからない。


だが、明らかにおかしかった。