KILLER GAME ~キラーゲーム~

「私は雉元って言います。…えっと、職業は…デパートの従業員をやっております。」


「何か、特技とかはありますか?」


「昔は空手をやってました。」


「実力の程は?」


「一応、黒帯の二段を持っています。」

女で武闘派…初めて見た。


この女、ますます好都合…


「じゃあ、今度は僕が。
田崎 真司って言います。」

俺の本名は志雄神 驪夫だが、いつも偽名として田崎と名乗っている。
一応、世間の中でも田崎で通っている。


「特技は機械操作ですかね…」

これは嘘ではない。


「これからは幾つか質問をさせて下さい。」

彼女が、プレイヤーであるかという確認をする。


「じゃあ、右足の裏を見せて下さい。」

俺と同じ位置にメス跡があった。


「渡された携帯電話を見せて下さい。」

これも同じ携帯電話。


彼女はプレイヤーで間違いない様だ。


だが、ほんとに雉元はあの広告の暗号をといたのか⁇
とてもじゃ無いが、その様には見えない。


「雉元さんもあの広告の暗号を解かれたんですか?」

念のために聞いておく。


「広告って?何の事ですか?」

これはとぼけている様には見えない。


「いや、何でも無いです…
どうして、このゲームに参加することになったのですか?」


「恥ずかしながら…私は元々借金持ちでして…それで消費者金融にお金を借りおうとしたら、声をかけられて…
ごめんなさい…借金なのに返済の為に更に借金するなんて、負の連鎖ですよね…」

雉元は話すにつれて、小声になっていった。

へぇ…このゲームのプレイヤーって、全員あの広告の暗号を解いて、参加しているわけじゃないんだ。

俺はゲームプレイヤーはあの暗号を解く頭のイイ強者ぞろいのゲームだと思ってた。

下手したら、解いたのは俺だけかもしれないな。

…いや、主催者の口ぶりでは俺は二人目以降の暗号解読者のようだった。