KILLER GAME ~キラーゲーム~

10:00

ドアをノックした。

「はーい!」

中から声がした。やはり、女の声。



「例のあれですね?
中へ入って下さい。」

女は端正な顔立ち、薄化粧で黒髪のショートだった。


和やかな笑顔の中には、何を隠しているのだろうか?


中に案内され、ソファーに座った。
リビングへ行く間に通る部屋のドアは全て閉められていた。


紅茶だ出される。

リビングは比較的綺麗だった。
やはり、女性の部屋だからか…

いや、部屋のドアが全部閉められているから、朝急いで片付けたぐらいだろう。



部屋の中を見せないって事はつまり、そういうことか。
案外、いい加減な人だ。



「さてと、今日はゲームのことについて話しましょうか。」

女が切り出した。



「え?ゲームって?」

念のためにとぼけてみる。



「ゲームって『キラーゲーム』の事ですよ。」



「そうですね。」


「そうですね。って…」
女は困った顔をしている。



「いいですか。これからはなるべくその名前を言う事を避けて下さい。」



「はい…
って何でですか?」

この女はどうやら、余り頭の回転が早くないようだ。


その方が俺にとっても好都合。


「もし、この話を聞かれたら、どうするんですか?
私達がプレイヤーだって、わかるでしょう?
それで他のプレイヤーに知られたら…」



「そう…ですね。ごめんなさい。」

そんなに強く言わなくても…そんな顔をしている。


しばらく沈黙する。


「そう言えば、自己紹介まだですね。
ゲームをやるにはお互いの事を知らなきゃダメだし。」

女は空気を変えるように語を放った。