「こら、ほのかちゃん! どこ行くの!」

「……………たっちゃんの家」

「分かった。いくらお隣さんだからって暗くなったら危ないんだから、早めに帰って来るんだよ」

「――――行ってきます……」


玄関を閉める前、幼稚園児の家出かよなんて乾いた先生の笑い声が聞こえてきたのは気のせいだと思いたい。


いいもん、お兄ちゃんなんてしばらくはしらないんだから!