「光くん……ごめんね」

「はっ??」


いきなり、そうはっきりと呟いた美波に問いかけてしまったが、当の本人は気持ちよさそうに寝息をたてている。


「寝言かよ」


それにしても、夢にまであのクソ男が登場してきているのかと思うと、虫唾が走る。

あのクソ男のことなんて忘れていたはずなのに、美波の寝言で掘り起こされてしまった。


それにしてもあの男だけは許せない……


もう二度とあの店に行くこともなければ会うこともないだろうけど。


だけど忘れられないようなはっきりとした顔立ちをしていた。




確かに、NO1をとるだけの容姿はしているとあたしも思う……

そして、どこか懐かしさを感じてしまったのも正直なところだ。



似ていたんだ


拓哉に……


あのとでもないクソ男を重ねてしまった自分もどうかしてるが。


「あ~、どうかしてる!!」


頭を振ると、美波が買ってきてくれた袋から薬を取り出し手に取ると水で流し込みベッドの上に体を預けた。


「もう少し寝よう……」

布団を頭の上まで被ると、あっという間に眠りにおちた……