ピンポーン、ピンポーン♪

ドンドンドンドン!!



えっ……!?


確かに聞こえる、騒がしい玄関は間違いなくうちだ。


いつの間にか眠りに落ちていたのか、あたしはソファーに横になり、ずっとリピートされていたであろう、CDはまだ歌を奏でていた。


慌てて電源を切ると、うるさい玄関に近づき、のぞき穴でその正体を確認した。


「美波……」


あたしは、慌てて洗面所にいき涙のあとが付いているのを鏡で見ると、顔を洗い玄関のドアを開けた。


「未来さ~ん!!ただいま♪」

「うっ、酒くさ……」


開けた瞬間に、あれから相当な量を飲んだことが想定された。


「どうしたの?」

「えっ~?とりあえずただいま!!そして朝ご飯♪」


手にぶら下げてある袋をあたしにぶつけるように渡すと、美波はそのままソファーに倒れこんだ。



「ねぇ、ちょっと……」

「ちゃんと、ご飯食べてくださいね」


そう呟きながら寝息を立て始めた。


自然にあたしは笑っていた。

始めは、大嫌いだった目の前の女の子……


それなのに、なぜだか美波が居なかった何時間はあたしを孤独にさせていた。

「まったく……」



袋に入っているものを取り出すと、そこには栄養が考えてあるだろう沢山のお惣菜と、二日酔いに効く、薬が入っていた。



それを見ながらまたクスッと笑い、テーブルに置くと美波にあたしの掛け布団をそっとかけた。