「でも、なんだか同じオーラを感じます」

「はっ?誰と?誰が??」

「えっ、光さんと未来さんがですよ」

「は?あたしと、あの男が??」

「あの男って……そんな言い方……」


なんだか挙動不審に見える姿に腹が立ち「光だか、なんだか知らないけどさ、なんであたしがアイツと同じなわけ?冗談やめてよ!!!あんなくそ男っ!!」



思わず力が入った言葉に、隣にいる男の子は唖然としていたが、視線はあたしを通り越しているように思えてその視線を辿った。


「わり~な、くそ男で……」そう通り過ぎながら、バカにしたように鼻で笑った。


「あははははっ!!うける、本当に……」


一度あることは二度ある。よくそんな言葉を耳にするが、今日初めて出会った男にまたタイミング悪く暴言を二回も聞かれたかと思うと笑いが止まらなかった。


でも、別に聞かれてしまったからってどうこうじゃない、真実を述べただけだし、ここにいる以上あたしはお客さんだ。


そして、怒りを通り越して、もう笑いしか出てこない。


「美波、帰るよ!!あんな奴がナンバー1じゃこの店も終わったね」


財布を取り出し、こういう店に入ったことがないから、一体どのくらいの会計が待っているのか分からなかったが、一万円札を3枚ほど取り出すとテーブルの上に置き席を立った。


「未来さん、待って……」

「じゃ、お先に……」


その時、トイレの方から出てきた“光くん”があたしに呟きながら通り縋った。


「DIAMONDOもこの女がナンバー1じゃ終わったな」……と。


その言葉と共に自然とあたしの足が止まった。