「待てよ!!」


その声と同時にあたしの腕に一瞬、酷く痛みが走る。


「いてーよ、なんなんだよ!」


黙ってあたしを見つめるお男の目はとても鋭く、思わず目を反らした自分がいた。


「来い!!」


そう言いながら、あたしを引っ張る男の力は半端じゃなくて、あたしは輝くネオン街を裸足のまま引っ張られながら歩いた。


通りすぎる人達が、あたしを不思議そうな眼で追い指を指し笑っている。

まるで珍しいものを見るかのように……。


「見てんじゃねーよ!!」


そう、周りの視線に怒鳴り散らせば、あたしの言葉に男は一層腕を強く掴み、大きなビルの前で一瞬だけ振り返りエレベーターの中で足を止めた。