「酷くない!?私って一応、彼女なのに他の人を優先するし。おまけに“考えさせて”だよ?!なんか…悲しい……」
実久の目には
また涙が溜まっている。
「泣いていいよ」
そう言って俺は手を実久の頭にポンとのせた。
その瞬間、実久は次から次へと涙を流していく。
まるで幼い子供のように…
「なんで龍之介は、こんなにも優しいの?」
涙を流しながら俺に尋ねる実久。
好きだからだよ
ばーか
「性格が良いからな」
俺はニヒッと笑ってみせた。
「そんなに辛いなら蓮と別れたら?」
俺は実久に尋ね返した。
「でも…蓮のこと好きなの」
なんて可愛い事を言う。
でも俺にとって
それは、とても悲しい事実で。
叶わないって分かってるのに
いつか自分のことを…
とか思ってしまうほど
君を想ってる。
大好きだよ。
蓮なんてやめて俺にすれば良いのに。
蓮よりも
こんなに大好きなのに……

