俺は走っていた足を止め
ゆっくりと2人の声がする方へ近寄った。
多分…いや、
間違いなくケンカだ。
「私は、蓮だけを想ってるのに」
「俺も実久が好きだよ?」
「でも私より他の子を優先するじゃん……。浮気、やめてほしぃ」
実久の目は真っ赤で
うるうるしている……
こんな実久に
そんな事言われたら絶対に「うん」って言っちゃうよ……
でも蓮は違った。
「考えさせて」
「……」
その返事に実久は何も言わなかった。
俺も唖然とした。
蓮……
なんで考えなくちゃいけねーの?
考えなくても答えなんて
出てるじゃん。
実久は
蓮の彼女だろ?!!

