お姫様の苦悩

ふーん、と言いながら訝しげに顔を歪める。





「へぇー……隣の人なんだ。ふーん。」


「そうよ。」


「にしては、熱い視線感じたんだけどなー。」


「勘違いじゃないの?ほら、今日は泊まるんでしょ。さっさと上がって。」


「取り合えず保留にしとくよ。」





聞こえないようにそっとため息を吐く。





「会いに来るなんてどうしたの?」

「あー…女がしつこいから暫く匿って。」


「じゃあ、お姉ちゃんのところ行けばいいじゃない。」


「無理無理、絶対無理。」





馴れた手つきでグラスにお茶を注ぎ心底嫌そうに顔を歪めるのは、2歳下の弟の悠貴。





姉同様、童顔でかっこいいより可愛いと言う感じだけど腹黒。





「着替えはあるし、いいよね?」


「はいはい。」





その顔立ちのせいか、3歳ぐらいまでは女物の洋服を着せられる事が多く、私と同じ姉の毒牙にかかりメルヘンの世界に引き摺り込まされかけた被害者。