若王子さんて………本当は腹黒?




「帰ったらいつでも会えるじゃん。」


「それが、いつも追い返されるんだ……。気に障るような事言った覚えもした覚えもないのに。」


「だーかーらっ、照れてるんだって言ったでしょ?」


「軽蔑されてるような視線を向けられるのにか?」





さっきはまともな人間だと思ったけど、やっぱちょっと違う……。




なんだろ――――頭のネジが数本取れてる。





「ちょっとアンタ……ご近所付き合いもまともに出来ないの?」





ご近所付き合いって………ごく最近越して来た奴と仲良くなれないでしょ。





若王子さんが、弱音吐くたびに『大丈夫』『照れてる』しか言わない姉。





ビールと料理が届き、私と美和が食べてる間でも次の手を提案していく姉の言葉を聞いていた。