「蜜姫、これに着替えてこっち来い。」





わりと小さめの紙袋を渡され、中を覗き取り出すとワンピースが入っていた。





「なんなの?」


「それに着替えて、完璧に化粧して来い。」





さっきと言ってる事が違うと思い口にすることが出来ず渋々洗面台へと向かった。





兄の用意したワンピースを着て鏡を見れば顔を歪める私がいるがそれはしょうがない。





私は家族の中で兄が一番何を考えてるのかわからなかったが、少々の露出が好きなんだと一つだけわかった。





走ったら胸が出ちゃいそうなほど谷間がガッツリ開いていて、丈は短いしちょっとの事でパンツが見えてしまいそうだ。





「変態。」


「人聞き悪い事言うな。」


「お兄ちゃんって、こういう服が好きだったんだね。」





兄が好きな系統がわかって嬉しい気もするが、虚しくもある。





「たかがそのぐらいで文句を言うなんて我が儘な妹だな。」