お姫様の苦悩

「私、芹沢さんが好きなんですっ。愛してるんです。」





冷たくあしらわれても兄を好きだと、愛してると言うこの女性に少し尊敬した。





「芹沢さんっ。」


「君は、人の迷惑を考えた事はないのか?毎日付きまとわれ、俺は気持ち悪い。それに、彼女が嫌な思いをするじゃないか。もう、近寄らないでくれ。」





エレベーターに乗り、兄にそう言われた女性は今にも泣きそうな表情でキツく唇を噛み締めていた。




ちょっと言い過ぎなんじゃないかと思っていたが、エレベーターのドアが閉まって行くちょっとの隙間から見えた女性は思いっきり私を睨みつけていた。





私は被害者なのになぜ睨まれる……睨むなら冷たくあしらった兄を睨んで欲しい。





「お兄ちゃんさ、言い方ってもんがあると思うよ。」


「優しく言えば付け上がるだろ。それに、彼女がしている事は今後、俺の生活に支障をきたす場合もある。ああいうのはハッキリ言わないとダメだ。」