お姫様の苦悩

見た感じストーカーするように見えないけど………見た目で判断したらダメだよね。





そのままマンションを通り過ぎ、すぐ近くにある地下駐車場に入る。





「いいか、俺たちは恋人だ。それっぽく演出しろよ。」


「はいはい。」





兄妹で恋人を演じるなんて無理があると思いつつも、ここまで来たんだし兄の部屋に入るまでの数分だけと自分に言い聞かせる。





少しでも、兄妹とばれない為に少し濃くしたメイクにサングラス。




ちょっとドキドキしながら兄に腕を絡ませ、体も密着させる。





「芹沢さんっ!」





エントランスに足を踏み入れるとすぐに聞こえた高い声。





兄はチラリと視線を向けたがすぐに外し、無視してズンズンとエレベーターへ足を進める。





「待って下さいっ。その人誰なんですか?」





問いかけられても無視を続ける兄に、それでも後ろから付いてくる女性。