はぁ…と溜め息を吐いてタクシーを降りれば、彼を置き去りに行ってしまう。 「――で、何してんの?」 そう冷たい声色を発したのは、行動の意味がよく分からない尭くん。 上手く予定が進行すれば、このまま“おやすみ”でバイバイ出来る筈だったのに。 まるで、私たちが降りるのを待ってました―― そう言わんばかりに、静まり返った中をコツコツと靴音を響かせて来る男のせいだ。 「んなの、のん待ってたに決まってるじゃん」 ククッと笑って歩みを止める祐くんを見て、ドキンと鼓動がまた煩くなる。