バカな私と違ってすこぶる頭の回転が速いクセに、この男は絶対に策士だと思う。 ていうか、周りが強力キャラすぎるのよ…―― 身長差と圧力をモノともせずに睨み、向かい合った尭くんに目で訴えかけていると。 その距離が縮まってる気がするのは、ただの勘違いでしょうか…? 「・・・ん、っ」 するとふわりと男らしい香りとともに、チュッとほんの一瞬だけ唇を掠めた感触。 すぐに離れたあと、“アホ”と尭くんがいつもと違う調子で小さく呟くから。 どうして、イヤな予感だけは的中するのよ…。