「…あっ」 その人の左手の薬指にはキラリと光るリング。 瞬間に突き落とされる…折角出会えたのにツイてない。 「気にしないで下さい…じゃっ」 あたしは浮かない顔で、その人の横を通り過ぎようとした。 「待てよっ…」 ぐいっと腕を掴まれ停止させられる。 「なっ…んですかっ?」 キョトンとするあたしに彼は言った。