「いるのそんな人?」 「ああ…だから結婚してますって言ってる。それに指輪してるだけで最初から何も言ってこねー方が多いしな!」 そう言ってニヒッと子供みたいに笑った。 「だから何も心配いらねーよ?独身で彼女もなしっ!いい物件だと思いますよお嬢さん?」 「俺に決めませんか?」そう言ってあたしの顔を覗き込んだ。 「なっ…に…それっ」 一気に脱力したあたしは、へなへなとその場にしゃがみ込んだ。