「もしかして指輪か原因は…」



「はぁー」とため息を吐いた京介が意地悪な笑顔を向ける。



「既婚者だと思った?家庭があると?」



あたしは訳が解らずただ頷くと、京介は親指でグイッとあたしの涙を拭い引き寄せた。



「バカだな…結婚してたらこんな事しねーよ…」



「じゃあなんで…」



「何で指輪してたの…だろっ?あれは女除けだ」


小首を傾げるあたしに京介は続ける。



「教室に来る生徒さんの中にはいるんだよ…誘ってくる人が」