「じゃ行こっか…たくちゃんが待ってるんだもんねっ?」 ニヒッと意地悪な笑みをまみに向けると、ちょっとむくれて彼女は言う。 「もうっ…蘭子ちゃん意地悪なんだからっ!」 「そんなの今に始まった訳じゃないでしょ」 ケラケラと笑いあたし達は学校を後にした。 駅前につくと、満面の笑みを浮かべた男が、こちらに手を降っていた。 前田 拓海 高3 男子校に通っている意外に真面目ないい奴だ。