小さく「ごめんなさい」と呟くとあたしは部屋の前から立ち去った。 急いでエレベーターに乗り込む、心臓が早鐘のように鳴っている。 身体が震え涙が出そうだった。 昨日会ったばかりなのに、どうしてこんなに辛いんだろう。 エレベーターの扉が閉まりかけた時に見えた京介の姿。 「蘭子!!待ってっ……」 できれば声も聞きたく無かった。 あたしの覚悟が揺らぐから… 扉が閉まる瞬間だった…