「……つっ///」



顔を赤く染め俯いたあたしの頬に、京介の冷たい指先がそっと触れた。



「ふっ…かわいっ…」



不意に引き寄せられ、ふわっと甘いバニラの香りに包まれる。



あたし抱きしめられてる!なんでぇ?



「あのっ…ちょっ…えっ…なんでっ?」



激しく動揺するあたしに囁く低く掠れた声。



「蘭子がわいいすぎるからいけないんだよ…」



「あっ…あたしのせい…?」



「そうだよ…蘭子のせいだよ…君に出逢ってから胸が苦しいんだ…責任とってよ?」



責任とれって…この人は始めからそのつもりだったのだろうか?



あたしに割り切った関係を求めているのだろうか…



始めからこうなると解っていた、あの甘い香りを嗅いだあの時から。