ヴァージンチェリー

少し遅めの昼食を取ったあと

「腹ごしらえに歩くぞ」

と、タクが言いだした時、私は異を唱えなかった。

いい天気だし、当てもなくぶらぶらするのも悪くない。

そもそも、この旅自体が当てもないものだし。

そんなことを思いながら、駅の外に出る。