「ありがとうだろ、そこは」 タクはムッとしたように眉を寄せた。 「はいはい、ありがとありがと」 「すっげームカつくんですけど」 「ムカつかせようとしてますからね」 「ヤな女だ」 「あんたはヤな男」 ふんっとお互いにそっぽを向いて牛丼をかっ込む。 こういうのはどこで食べても、そんなに味は変わらないみたいだ。