オオカミ達と甘い時間






東堂さんの話に必死に耳をかたむける日向先生の横顔を、見つめる。





「それでは、職員会議を終わります」





その一言で席を立つ人々と同じく、日向先生は立ちあがる。



あたしは一歩送れるように立ちあがった。




「では、また。天宮先生」





顔と似合うテノールの声でそう言われると、何も言えなくなる。




「…ありがとうございましたっ…」




そう小さく呟くあたしに王子様スマイルを振りまき、自分の机に戻った。




…日向先生への言葉が震えていて






あたしはまた、歩き出した