「も、もう起きましたっ!壁を叩くのはやめなさい!!」




うるさいぐらいで、壁叩くか?




怒りがこみあげてくる。




…負けてたまるかっ!





あたしは壁を叩き返し、鋭く叫んだ。





「あんたこそ叩いてんだろ!」





「先に叩いたのはそっちでしょっ!?何言ってるの!」




凌君に半分キレ気味のあたしはもう



″先生″の天宮緋月ではなく





″高校生″だった。




自分がそんな状態だったことに気づかなくて。