オオカミ達と甘い時間






今ここで負けて、頷いてしまったら完全に確信されてしまう。






「…は?」





あたしの顔の下からのぞく遊馬君は怖い。



睨みつけているよう。




優しいこげ茶色の瞳をしていても、今は意味がなくなっている。




そんな鋭い目にちょっと怯む。





「だからっ…」




と、突然。




遊馬君が立ちあがり、あたしに顔を近づけた。




「!!!」




か、顔近いっ…



あんなイケメンがこんな近くに来て、ドキドキしない女子はいる?




絶対…無理



ドキドキせずにはいられない。



あたしはぎゅっと目を閉じた。