そう言えばあの時初めて呼ばれたっけ、名前。つーか、あだ名?通称的な。



「ハル」



後ろから声が聴こえて振り返る。そこには真新しいセーラー服に身を包む真織の姿があった。



「なんだよオレはっ」
「じゃあね」
「ちょっと待て。そこまで着いてこい」
「なんで、あたしが着いて行かなきゃ」
「暇だろ?おまえ」
「…勝手に決め」「行くぞ」
「ちょ……はぁ」



先に進みだすオレの隣に無言で駆け寄り並ぶ彼女。
諦めたような表情に満足した。

互いの手の距離を数センチの隙間だけ残して。