桜の葉


「着いたよ!」



葉は、アタシの手を離して、鞄を木の根元に放り投げた。

着いた場所は、何もないの。



結構期待してたんだけどなぁ…。




目の前には、たくさんの樹木と、切れ目からは、青い海が見えた。



「まさか、海を見せたかった?」



アタシが葉を見ると、


「違っがうよッッッ!!もうすぐだから!ねぇちゃん、こっち来て!」


と、少し拗ねた様子で、アタシの手を引っ張った。

その途端。






ブァァアァアァァッ


と風が吹いてきて。



薄い桃色と、白が、アタシと葉を覆った。






「ッッッわぁぁ!?」






周りに、桜の木なんか見当たらないのに。

まるで雪みたいにたくさんの花びらが舞った。



そう。まるで。
祝福された新郎新婦に贈られるブーケシャワーみたい!




「スゴイ!!凄いね!!凄い綺麗ッ!!///わぁぁ!!」



アタシは、ただただ、花びらの渦の中で、キラキラ輝く海と空を見ていた。



風が収まって…



葉を見ると、物凄く嬉しそうな顔で、アタシを見てた。




ッッッ///?




不覚にも、少しドキッとしてしまったアタシに。




葉は、どこから出したのか、小さな小さなブーケと、小さな箱を、アタシに差し出した。




「朔良ねぇちゃん。誕生日、おめでとう!!」