桜の葉

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病院になんか…二度と来るもんか。
光を助けてくれなかった場所なんか…。


ずっと。
アタシは、病院に行かなかった。
病院が憎かった。


でも…そこに今私は居て。
頭に包帯を巻いた葉の傍にいる。


5針縫った。


葉は、眠っている。





……何で、こうなったんだろう。


アタシは、疲れた頭で、そんなコトを思った。

アタシが、学校抜け出したりしなければ…葉は怪我しなかったよね。

何で葉は、あそこに来たんだろう。



………ぅぅん。
そうじゃなくて……。



走って来た葉の姿が、昔と重なるんだよ…。
あの後、直ぐに光が…。


ヤダよ。
お願いだから、早く眼を開けてよ。

頭に包帯巻いた姿は、どうしても光と重なってしまう。



「…葉。アタシが悪かったから…。……お願いだから、早く眼を開けて?」



ギュッと、葉の手を握るアタシは。
堪えられなくて……



気付いたら、ポタポタ涙が零れていた。


……何だか悔しくて。
何だか悲しくて。
悲しくて。
悔しくて。



「……ッ…」



アタシは、葉の手を握ったままで…声を殺して泣いた。




………守れなかったょ。
葉を。

光…。
ごめんね?



アタシは、後ろで、パタンと静かにドアが閉まったコトにも気付かないまま……


止まってくれない涙と闘っていた。