桜の葉

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「ぇッッッ!?わぁッッッ?!」


急に引っ張られて、葉は一瞬よろめくが、直ぐに体勢を戻した。

そして…アタシを反対に引っ張って走って行く。


下が砂だから、上手く走れないアタシ。



「わぁッッッ?!」
案の定。

アタシは砂に足をとられて、派手にすっ転んでしまった。



「ねぇちゃんッッッ!!」


葉は、追い掛けて来る男達と、アタシの間に立って。

また。

アタシを自分の後ろに隠した。




……アタシより小さいくせに。



アタシは、急いで起き上がる。



ニヤニヤ笑いの男達は、何がそんなに楽しいのが、ケタケタ笑い出した。


「逃げても無駄って、解んね?」

「葉~、良いじゃん?どぅせ、血がつながってないんだろーが。」



葉は、男達を睨みつけた。



「血の繋がりなんて関係ないッッッ!!オレには、一番大事なねぇちゃんだッッッ!!!」



……ヤバイ。
こんな時なのに、アタシはウルッとくる。


でも。
このままじゃ、絶対ヤバイよ。



アタシは、葉の後ろで必死に頭を働かせていた。


とりあえず…警察呼べたらッッッ!!!





アタシが、女子高生で良かったと思った瞬間は、後にも先にも、この時だけ。


ポケットの中。
アタシの携帯。


指先の感覚で、110を押す。
悪戯って思われるかもだけど。
何度でもかけてやる気満々だ。


ッッッ気付いてッッッ




アタシは心で叫びながら……
辺りをキョロキョロ見回した。


葉一人じゃ、何かあったらひとたまりもないから。



アタシが、
葉を、
守るんだ。