地味な配色のチェックのロングスカートにベージュのインナーに、アーガイルで派手めなカーディガン、ボリュームのある靴下に今年はやったサボ。



こんなもんでいいかと、全身鏡を眺める。ボブスタイルの後ろははねている。は癖っ毛は大変だ。



はねたまんまでさっき、朝食をとってきた。なんとなく気まずかったのはあたしだけなのかもしれない。



いつものおばさんだった。雰囲気も表情を変わってない。昨日を変わりない。


目の前でトーストにジャムを乗せてかじっていたありさは、さっきと何かが違ってた。でもそんなの、気づけやしなかった。




部屋に戻ってベッドに座り、意味もなく時計の秒針に視線を投げかける。



かちっ、かちっ、っと休むことなく針を進めていく目覚まし時計に皮肉を覚える。とまってしまえ。




眠気が取れない。顔を洗ってこよう。その間にコテを温めよう。きっちり揃えてカットされた前髪を手でたばねつつバレッタを持って洗面所へ向かった。