四人は原宿の竹下通りにいた。

『みてみてぇ〜。超かわいいんだけど。』

さくらの友達の前田美雪は言った。

『ねぇさくら、あのお店行こうよ!』
『美雪。あたしじゃないでしょ?』

小声で美雪に言った。

『…だって、その…まだ…』
『せっかくこうして一緒にきたんだから!』
『うん…でも…。わかった。もう少ししたら誘ってみる。』

しばらく歩いていると、竹下通りを抜けてしまった。一行は、駅へ向けて引き返し始めた。
帰りの途中クレープ屋に寄り、四人は少し外れた静かな場所に腰を下ろし、クレープをほおばっていた。
美雪が誰よりも早くクレープを食べ終え、

『ねぇ、これからカラオケ行かない?』
『ごめん美雪!あたし今日は用事があるんだぁ。二人は?』

さくらは打ち合わせ通りの言葉を発した。

『ん、俺はいいけど…遼祐はどうする?』
『ワリィな…俺もちょっとヤボ用があるんだよ。お前ら二人で行ってこいよ。』

『二人か…俺は構わないけど…前田、どうする?』
『あんたとふたりっきりじゃ何されるかわかんないよ。ま、どうしてもっていうなら付き合うわよ。』

さくらは心の中でオイと呟いた。

『なんだそれ?俺だって相手は選ぶよ。んじゃ行くか。』

笑いながら純太郎は言った。
四人が立ち上がると、遼祐とさくらは駅の方に、純太郎と美雪はカラオケ屋へ歩き出した。

この日の夜、さくらに美雪から泣きながら電話が入った。
さくらはよかったねと言って笑っていた。