「なぁ、みちる、母さんがチーズケーキ好きか?って。」
翔太が、母親からのメールを見ながら聞いた。

「えっ?何?」

みちるは、七海との会話を思い出していたが、翔太の声で現実に引き戻された。

「あ!話し聞いてなかったな。チーズケーキは没収だ!」
「え~!ごめん!チーズケーキ大好きだよぉ。」

みちるの大好物のチーズケーキを、翔太の母親が手作りしてくれたのだ。

「お母さんがせっかく焼いてくれたのに、翔太だけ食べたらさもったいないじゃない?美味しいものは、皆で食べないと!」

翔太がわざと、顔をしかめながらメールを返信しながら言った。

「みちるの大好物を母さんに教えたのは、オ・レ・サ・マだろ?感謝してくれよなっ!」

ぶすくれた顔をした翔太がなんだか可愛くて、みちるは翔太の腕に抱き着いた。

「えっ?おい!もお、なんだよ…。」

「早くケーキ食べたいなぁ。さあさあ、急ぎましょー!」
顔を赤くした翔太に気づかないふりをして、みちるは歩くのを急かした。